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身元引受人の条件は? どんなときに必要? 注意点を岡山の弁護士が解説

2020年06月12日
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身元引受人の条件は? どんなときに必要? 注意点を岡山の弁護士が解説

令和元年10月、実刑判決が下った被告人の逃走を手助けした容疑で、被告人の身元引受人だった女性を犯人隠避罪で起訴したという報道がありました。

家族や親族、友人、会社の部下・同僚など、身近な人が逮捕され身元引受人の依頼がくると、もちろん冒頭の事件のような行為はしなくとも、なんとか本人の力になってあげたいと思うものです。その反面、身元引受人になることにリスクはないのかと不安にもなる方がほとんどでしょう。また、独身ならまだしも、家庭があると妻や子どもへの影響も考えてしまうのではないでしょうか。

身元引受人を依頼された際は、引き受ける前に、どのような責任やリスクがあるのかをしっかり理解しておくことが大切です。身元引受人に関する「いろは」について、ベリーベスト法律事務所 岡山オフィスの弁護士が解説します。

1、身元引受人の基礎知識

身元引受人は、一般的には、対象となる人の身元に責任を負う人を指します。一方、刑事事件においての身元引受人は、少々意味合いが異なるため、みていきましょう。

  1. (1)刑事事件における身元引受人とは?

    刑事事件において身元引受人は、「対象となる被疑者・被告人が誤った行動に走らないように生活や行動を監督する人」のことをいいます。刑事事件の場合、さまざまな場面で身元引受人が必要です。

    たとえば、身元引受人は次のようなことを行い、被疑者・被告人の行動を監督し、犯罪の再発防止につとめることになります。

    • 薬物事件を起こした人が対象であれば、更生施設につきそう
    • 万引きで逮捕された人が対象であれば、買い物をする際に極力同行する
  2. (2)身元引受人になれる人

    それでは、いったいどのような人が身元引受人になれるのでしょうか。
    実は、法律で身元引受人の条件が明確に定められているわけではありません。ただし、対象者を監督するのにふさわしい人がなるのが一般的です。

    以下のような親族が身元引受人になることがほとんどでしょう。

    • 父母
    • 兄弟姉妹
    • 親戚

    そのほか、親族が遠方にいたり、そもそも親族が身元引受人となることを拒んだりした場合は、以下のような人物が身元引受人となることもあります。

    • 会社の上司や同僚
    • 友人
    • 恋人

    先ほど触れたように、身元引受人は、本人を監督できる立場にある人物であることが重要なポイントです。「刑事事件の身元引受人」と聞くと、家族が対象者を迎えに行くイメージがあるかもしれませんが、会社の上司や同僚でも、身元保証人となることができます。

  3. (3)身元引受人の責任範囲

    身元引受人には、監督および見守りといった役割を求められます。ただし、これらができなかったからといっても、法的に罰せられることはありません。また本人が何か不祥事をはたらいたとしても責任を問われることもありません。

    とはいえ、身元引受人を引き受けた以上は無関心でいてはならず、本人の日頃の行動をできるだけ監督し、出頭や出廷日時を意識しておかなくてはいけません。

2、身元引受人は途中で辞めることは可能?

身元引受人は一度引き受けると辞められないのでは? と心配する方も多いかもしれません。しかし、基本的には途中で辞めることができます。

ただし、被疑者や被告人にとって、身元引受人を引き受けてもらえるかどうかは、拘束されている身柄が解放されるかが左右される重要な問題です。身元引受人を引き受ける前に、不安を感じているのなら、安請け合いするのは避けた方がよいでしょう。

3、身元引受人が必要となるケース

刑事事件において、身元引受人はさまざまなシーンで求められることになります。具体的なケースについて、時系列に沿ってそれぞれ見ていきましょう。

※なお、この章では、被疑者・被告人となる対象者を必要に応じて「Aさん」として説明します。

  1. (1)逮捕されたとき

    もっとも早いのは、Aさんが逮捕されてすぐのタイミングです。身元引受人が警察署へ行くことで、すぐに解放される場合があります。

    解放される場合の中には、「微罪処分」がなされた場合が含まれます。「微罪処分」とは、明らかに不起訴となるような事件等に限り、検察に送致せず、警察内だけで手続きが行われる場合のことです。微罪処分となれば、Aさんは、起訴されたり、前科がついたりするようなことはありません。

    微罪処分は管轄地域によって基準が異なっています。たとえば、犯行に悪質性がなく初犯であることや、被害が軽微であり被害回復がすでに行われていること、被害者が処罰を望んでいないこと、などが基準として挙げられるでしょう。

    なお、微罪処分の条件として、「身元引受人がいること」が設けられているケースもあり、その場合には、身元引受人の有無はAさんの今後の人生を左右するともいえるでしょう。

  2. (2)勾留を食い止めたいとき

    勾留とは、逮捕後も警察署の留置場などに被疑者を拘束し続ける手続きのことです。勾留を受けると、最大20日間、警察署内等で拘束を受けることになります。

    ただし、勾留には以下のような条件があり、身元保証人がいれば、勾留を免れる可能性があります。

    • 被疑者が定まった住所を有していない
    • 被疑者が証拠隠滅するおそれがある
    • 被疑者が逃亡するおそれがある


    身元引受人が被疑者の証拠隠滅や逃亡を阻止するべく監督すると示すことで、勾留されずに釈放される可能性が高まります。

    釈放されると、今後は在宅事件扱いとなります。在宅事件扱いの場合、警察や検察から呼び出されたときに、取り調べを受けるため、身元引受人は、被疑者が必ず警察や検察へ赴くよう、サポートしていく必要があるでしょう。

    なお、場合によっては、そもそも逮捕されずに在宅のまま捜査が行われるケースもあります。

  3. (3)起訴後、保釈請求をするとき

    勾留を阻止できず、そのまま勾留され続けて検察に起訴されると、被疑者の多くは拘置所に身柄を移され、引き続き勾留されることになります。この状態を「被告人勾留」と呼び、被告人は裁判終了まで、勾留され続けることになるのです。

    しかしながら、裁判所が定めた一定の金額を保釈保証金として裁判所に預けることで、被告人は拘置所から出ることができる場合があります。これを「保釈」といい、このときにも身元引受人が、被告人が逃亡したり、証拠隠滅をしたりしないことを保証します。なお、身元引受人が保釈保証金を払った場合において、万が一本人が逃亡する、証拠を隠滅するなどした場合、保釈保証金が戻ってこない可能性があります。

  4. (4)判決で執行猶予を求めるとき

    執行猶予とは、有罪判決であっても、一定期間、懲役刑を猶予し、その猶予期間中に、何も問題を起こさなければ、懲役刑の効力が失われる制度のことです。

    身元引受人がいることで、執行猶予期間中の再犯防止が期待できることから、執行猶予付きの判決が出やすくなると期待できます。

  5. (5)仮釈放の許可を受けるとき

    懲役刑が出されると、刑務所に服役することになりますが、一定条件をクリアすると、社会復帰が認められるようになります。これを「仮釈放」といい、適格な身元引受人がいると、再犯への抑止力が期待できることから、仮釈放が認められやすくなります。

    なお、仮釈放の場合、釈放された後に身元保証人を辞めることは基本的には認められていません。

4、身元引受人を引き受けるときの注意点

前述のとおり、身元引受人になったからといって何らかの制約を受けるわけではありません。それでも、何も考えずに引き受けることは避けるべきです。本項では、身元引受人を引き受けたときの注意点について解説します。

  1. (1)警察へ身柄を引き取りに行くとき

    先ほどお伝えしたとおり、警察で取り調べを受けたとしても、証拠隠滅や逃亡のおそれがなければ、在宅事件扱いとして捜査が進められることがあります。

    取り調べ後の被疑者を、身元引受人となって連れて帰る場合、「身柄請書」への記入が求められます。文面には、住居、氏名、職業、年齢、電話番号などの情報だけでなく、身柄を引き受けた旨や、呼び出しを受けた際には出頭させる旨などの記載も必要です。

    とはいえ、万が一本人が出頭しなかったとしても、身元引受人に対して法的な罰則はありません。ただし、出頭日前日に本人に連絡を入れ、出頭するように念をおすなどのサポートは必要でしょう。

  2. (2)保釈請求のために身元引受人となる場合

    起訴後の保釈請求においては、誰が身元引受人になりどういった監督をするのかも、保釈の可否を左右するポイントです。

    身元引受人に対しては、毎日電話をする、週に一度は面談するなど、具体的に監督行為を決められることがあります。この場合は、決められたとおりに行うことが必要であり、それが不可能であれば引き受けないという選択肢も考えましょう。

    なお、保釈請求中に身元引受人となることを撤回する場合は、別の身元引受人が見つかるまで、本人の保釈は認められません。

5、身元引受人を弁護士に依頼することも可能

身元引受人を引き受ける人がいない、依頼されたが引き受けたくないなどの場合、弁護士に依頼できるケースもあります。

会社の部下などから身元引受人を頼まれたものの、自分自身が引き受けるのは難しい状態にあるということもあるでしょう。それでも、なんとかしてあげたいとお考えなのであれば、弁護士に相談してみることもひとつの案です。状況によって、弁護士が対応することができるかもしれません。まずはご相談ください。

6、まとめ

刑事事件で逮捕された人の身元引受人になったとしても、基本的には本人の不祥事や逃亡などに関して責任を問われることはありません。また仮釈放後など一定のケースを除き、途中で辞退することもできます。

しかし、身元引受人が必要となったと相談がきた際、安請け合いすることには慎重になりましょう。特にご家族がいる場合は事前に相談が必要です。

身元引受人について、不安な点などご相談がございましたら、お気軽にベリーベスト法律事務所 岡山オフィスにご連絡ください。

  • この記事は公開日時点の法律をもとに執筆しています

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