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熟年離婚になりそう……生活費や年金などお金はどうすればいい?

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2019年03月08日
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熟年離婚になりそう……生活費や年金などお金はどうすればいい?

平成28年における岡山件の離婚件数は、3245件でしたが、この中には、いわゆる熟年離婚も相応に含まれています。同居期間20年以上で離婚した件数は、岡山県内でも3番目に多いことがわかっているのです。

熟年離婚という言葉を聞いたことがある人は、多いのではないのでしょうか。熟年離婚とは、長い間夫婦として連れ添ったにもかかわらず配偶者が定年退職する前後で離婚することを指していることが一般的のようです。

離婚は夫婦間で合意さえあれば自由にできます。これは結婚と同様です。しかし、結婚と異なり離婚では今後の生活費を念頭に財産分与、年金の分割、子どもの養育費、慰謝料など、離婚後のお金のことについて配偶者と話し合い、合意しなければなりません。

そこで今回は、熟年離婚をするに際して重要な今後の生活費や年金など、お金について押さえておきたい基本事項を解説します。さらに、配偶者と話し合いがまとまらない場合の対策について、岡山オフィスの弁護士が紹介します。

1、そもそも離婚原因は?

配偶者から離婚を申し立てられたら、まずあなた自身に離婚を求められるような何か明らかな原因があるのか、それともないのか、冷静になって考えてみてください。もし、民法第770条に定める離婚理由に該当する事項があれば、あなたが同意しなくても離婚となる可能性が高いでしょう。

たとえば、以下のような行為をした心当たりがあるときは、要注意です。

  • 浮気や不倫などの不貞行為
  • ドメスティック・バイオレンス
  • モラル・ハラスメント
  • 正当な理由なく家事や育児を放棄
  • 正当な理由なく働かず、収入をもたらさない
  • 収入があるのに生活費を渡さない
  • 正当な理由なく同居を拒否している
  • 正当な理由なく家を追い出した
  • 家計を破綻させるほどの一方的な浪費
  • 行き過ぎた宗教活動
  • 性交渉の拒否


あなたが上記のいずれかを行ったことがあり、その事実について配偶者が証拠を揃えている場合は、あなたは離婚の原因を作った有責配偶者とされます。この場合、離婚と合わせて配偶者から慰謝料を請求されることも考えられるでしょう。まさに、あなたの懐を直撃する事態になりかねないのです。

ただし、配偶者の離婚理由があなたと趣味が合わない、定年後あなたが家にずっといることが耐えられない、老後は自分だけの人生を歩みたいなどという理由であれば、単なる性格の不一致などとされます。

このような理由は法定の離婚理由には該当しませんから、慰謝料を請求される理由にもなりません。それにもかかわらず配偶者が慰謝料の支払いを主張するようであれば、堂々と反論する必要があるでしょう。

2、離婚後の年金はどうなる?

平成19年の厚生年金保険法改正により、離婚後に夫(妻)の厚生年金の一部を妻(夫)が受け取ることができる「年金分割」の制度ができました。

さらに、平成20年からは同年4月1日以降に権利が発生する夫(妻)の厚生年金について、婚姻期間中は国民年金保険の第3号保険者、つまり年収130万円未満であり厚生年金加入者に扶養されている妻(夫)については、相手方の同意なしに該当期間の厚生年金部分の2分の1を分割することが可能になりました。いわゆる、「3号分割」です。3号分割は、いわゆる事実婚の関係にある配偶者も可能です。

この年金分割制度を当てにして熟年離婚に急ぐ夫婦もいるようですが、年金分割については以下の点に注意が必要です。

  1. (1)分割できる年金は限られている

    年金分割の対象となるのは、厚生年金(標準報酬月額・標準賞与額)と旧共済年金のみです。

    厚生年金基金の上乗せ給付部分・国民年金・国民年金基金・確定給付企業年金・確定拠出年金・私的年金は分割の対象とはなりません。つまり、自営業者や勤務先に厚生年金制度がない場合は、年金分割そのものがないのです。

    また、分割対象となる厚生年金は婚姻期間中に保険料を支払った分のみであり、結婚前・離婚後に保険料を支払った部分については、分割の対象となりません。

  2. (2)合意分割と3号分割は併用できる

    夫婦が共働きの場合、夫婦双方が婚姻期間中に保険料を支払った分の厚生年金については、夫婦間の話し合いなどで合意することにより最大2分の1まで分割することができます。これが合意分割です。年金分割の制度には、3号分割と合意分割の2つがあるのです。

    仮に婚姻期間が20年だったとして、最初の10年は会社に勤務して厚生年金保険料を払っており、後の10年は会社を辞めて第3号保険者だった場合、合意分割と3号分割のどちらになるのか、と疑問をお持ちになる方もいるかと思います。

    この場合は、合意分割と3号分割を併用することになります。先ほどの例でいうと、会社に勤務し厚生年金保険料を払っていた結婚後10年間については合意分割となり、会社を辞めた後の3号分割の期間については自動的に3号分割となります。

  3. (3)年金分割には時効がある

    年金分割をするためには、年金事務所などで所定の手続きを経なければなりません。これは合意分割と3号分割に共通して定められています。

    年金事務所などに年金分割を請求する権利は、離婚した日の翌日から起算して2年を超えると時効となり、請求すること自体ができなくなります。つまり、合意分割する場合はその割合について離婚してから2年以内に配偶者と合意した上で届出をする必要があります。

3、離婚後の養育費はどうなる?

養育費とは、離婚後、子どもを監護していない親が負担する、子どもが大人として自立できるようになるまで必要なお金のことです。子どもを監護している親に対して、毎月定額を支払うケースが一般的です。

熟年離婚する夫婦の子どもは、相応の年齢に至っているものと考えられます。ここで養育費は子どもが何歳になるまで発生するか、疑問に感じるのではないのでしょうか。

ひとつの目安として、法的に成人する20歳までという考えがあります。しかし、養育費をいつまで支払うのかという点は法的に何も定められているわけではありません。先述のとおり「子どもが大人として自立できるようになるまで」という観点から大学や大学院を卒業するまで、あるいは高卒で就職したら高校を卒業するまで、などという考え方もあります。

そもそも、養育費は離婚する夫婦が合意さえすれば払わなくてもよいとすることも可能なのです。基準はあっても法的に定められているわけではないという点は、養育費の金額についても同様です。

裁判所は子どもの年齢や人数に応じた養育費の算定表を公表していますが、これはあくまで一応の目安に過ぎません。夫婦の話し合い次第では、子どもの進学にお金がかかるなどという理由により算定表よりも多い金額を負担することもあり得ます。

4、離婚後の婚姻費用はどうなる?

婚姻費用とは、民法第760条に定める夫婦の婚姻費用分担義務に基づき収入の多い夫(妻)に対して支払いの義務が発生するものです。つまり、離婚が成立すれば発生しない費用となります。

別の言い方をしますと、すでに離婚に向けた話し合いや手続きの段階であろうと、収入が多い夫(妻)は婚姻費用を負担する義務があります。仮に配偶者が離婚を前提に別居して夫婦同居義務を放棄した場合でも、法的に離婚が成立していない段階では収入が多い夫(妻)は妻(夫)の生活費を婚姻費用として相応に負担する義務があるのです。

したがって、もし感情的になって婚姻費用を支払わなければ、配偶者側は家庭裁判所に「婚姻費用分担請求調停」を提起することができます。最終的には裁判で争うことになり、特別な理由がない限り、収入が多い側へ支払いするよう命令されることになるでしょう。

5、財産分与はどうなる?

財産分与とは、結婚後から夫婦で形成・維持してきた財産を分配することを指します。原則、名義に関係なく夫婦の「共有財産」として、これまでの貢献度などに応じて離婚時に夫婦で分配するというものです。

熟年離婚はこれまでの貯金や退職金、住宅ローンの完済などにより財産が蓄積されていることが多い年代の離婚です。必然的に、若年世代と比較して財産分与の額は相応に多くなることが考えられます。

財産分与は、離婚の際に相手方に対して請求することが「できる」旨の規定であり、「しなければならない」というわけではありません。また、分割割合については「2分の1ずつ」がひとつの基準と考えるケースが一般的ですが、法律上で明確に決められているわけではありません。したがって、財産分与の有無および財産分与の割合や分与する財産の種類については、離婚時の話し合いなどで決めることになります。

なお、結婚前から夫婦が個別に所有していた財産は「特有財産」であり、財産分与の対象とはなりません。また、婚姻期間中に相続や遺贈などにより取得した財産についても、特有財産とみなされるため、財産分与する必要はないでしょう。

6、このようなときは弁護士に相談しよう

次のような事態になったり、なりそうになったときは、できるだけ早いうちに弁護士に相談することをおすすめします。

  • 配偶者が不当に高い財産分与や慰謝料を請求している
  • 相手が出している条件が世間一般的に妥当なのかわからない
  • 財産分与や年金分割に応じようとしない
  • あなた自身が離婚原因を作ってしまったい
  • お互いに感情的になってしまっている
  • 調停や裁判への移行も視野に入れなければならない
  • 法律や制度のことがわからない……


離婚問題を解決に導いた実績が豊富な弁護士であれば、法的なアドバイスはもちろんのこと、あなたの代理人として相手方と交渉し、円満な離婚に向けた働きが期待できます。特に配偶者が弁護士を立ててきた場合は、これ以上あなた自身で解決を試みることは難しいと判断したほうがよいでしょう。ひとりで抱え込まず、弁護士に依頼することをおすすめします。

7、このようなときは弁護士に相談しよう

熟年離婚において念頭におかなければならないのは、離婚後の老後資金です。

離婚する以上は、今後の生活においてある程度の経済的損失が出るのは覚悟しなければならないと考えられます。しかし、配偶者からの不当な金銭の請求あるいは正当な支払いの拒否については、今後のあなた自身の生活を守るために適切な対処をとる必要があるでしょう。

離婚は、結婚と比べて大きな精神的負担が生じるものです。離婚協議を早く終わらせたいと思う気持ちはよくわかります。その結果、配偶者と安易に妥協して今後の老後資金が不足し生活が困窮してしまった事例や、合意内容を離婚公正証書などに残しておかなかったため配偶者に合意内容を反故にされたという事例があるのです。

そのような事態に陥らないためにも、特に熟年離婚においては早めに弁護士と相談しながら進めることをおすすめします。ベリーベスト法律事務所 岡山オフィスでもアドバイスや対応を行います。お気軽に相談してください。

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