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違法なリストラとは? リストラに遭った場合に確認すべきことを弁護士が解説

2020年09月25日
  • 不当解雇・退職勧奨
  • リストラ
  • 違法
  • 岡山
違法なリストラとは? リストラに遭った場合に確認すべきことを弁護士が解説

会社からリストラを言い渡されたとき、すんなりと受け入れられる方はそれほど多くないでしょう。「なぜリストラの対象になったのだろう」「どうにかして会社に残れないだろうか」と考えることも、少なくないのではないでしょうか。

リストラに遭ったとき、辞めたくないと思っているのであれば、そのリストラが法的に認められるかどうか判断することが大切です。違法性が指摘できればリストラを撤回させ、引き続き働ける可能性も高まります。

この記事で、ベリーベスト法律事務所 岡山オフィスの弁護士が、リストラに関して解説していますので、参考としていただければ幸いです。

1、リストラが認められる条件

会社が告げてきたリストラが違法か判断するためには、リストラが法的に認められる条件を知ることが近道です。そのためには、まずリストラと解雇の関係を整理することが重要となります。

  1. (1)リストラと解雇の関係

    今日の社会では、リストラと解雇は似たような言葉として使われています。しかしリストラとは、リストラクチュアリング(Restructuring)の略称で、もともと事業を成長させるための再構築を意味する言葉です。

    たとえば、採算の取れない事業から撤退したり組織の編成を改善したりして、浮いた分のリソースを活発な事業に投じ、無駄遣いをなくすなどがあてはまります。株式会社明治が、令和2年3月末に、岡山にある工場での生産を生産効率の悪化を理由にやめましたが、これもリストラのひとつといえるでしょう。

    一方、解雇は、会社が一方的に労働者との雇用契約を打ち切る行為です。一般的に普通解雇・整理解雇・懲戒解雇の3種類に分けて考えられています。

    普通解雇とは、労働者の働き方や能力などに問題があり、辞めさせる以外の方法では解決が難しいとなったときに行われる解雇のこと。たとえば、何度も遅刻している、さまざまな方法で指導をしているのに成長が見られないなどのときに、しばしば行われます。

    普通解雇が法的に有効とされるには、客観的に合理的な理由があり、社会通念上相当であると認められなければいけません(労働契約法第16条)。もし十分な指導をしないまま能力不足と決めつけて解雇すると、無効と判断される可能性が高いでしょう。

    この普通解雇のうち、労働者側ではなく、会社都合で行われる解雇を整理解雇といいます。整理解雇は、基本的に経営不振を理由に人員を減らすときに行われるもので、今日の日本でいうリストラは整理解雇をさしているケースがほとんどです。

    懲戒解雇は、労働者が会社の規範を守らず、会社の秩序を乱すような行為をしたときに行われる解雇です。しかしこれも、会社が無制限に行えるものではなく、やはり合理的な理由があり、社会通念上相当であると認められなければ有効とはなりません(労働契約法第15条、16条)。

  2. (2)厚生労働省が定める整理解雇(リストラ)の条件

    見てきたように、解雇には、労働者が一方的に不利にならないように、法律によるさまざまな制限が設けられています。

    このうち、リストラと同じと考えられている整理解雇は、厚生労働省によって、より具体的な条件が4つ示されています。
    順に詳しく見ていきましょう。

    ●人員削減の必要性
    人員削減の必要性とは、整理解雇が会社を存続させる上で必要かどうかを問うものです。経営不振や不況によることが客観的に見ても明らかであれば、整理解雇は必要なものと判断されやすくなります。

    ●解雇回避の努力
    解雇回避の努力とは、会社が整理解雇をできるだけしないように他の手段を講じたかどうかを問うものです。別の部署への配置を検討したが実現するのが難しかった、ほかの希望退職者を募ったが足りなかった、などの場合は努力したと判断される可能性が高いでしょう。

    ●人選の合理性
    人選の合理性とは、整理解雇の対象者を選定するときに用いる基準が合理的で、かつ運用方法も公正かどうかを問うものです。成績が低い、職場の風紀を乱してほかの労働者に悪影響を与えているなど、常識的に考えて解雇もやむなしという労働者を選んでいると、合理的と判断されやすくなります。

    ●解雇手続の相当性
    解雇手続の相当性とは、整理解雇の必要性やその内容について、労働者(または労働組合)に説明をしているかどうかを問うものです。整理解雇を実施する理由や時期、方法などについて労働者(または労働組合)が納得すれば、手続きは相当であると判断される可能性が高いでしょう。

2、リストラに遭った場合に確認すべきこと

リストラ(整理解雇)は、原則として、人員削減の必要性・解雇回避の努力・人選の合理性・解雇手続の相当性をクリアしなければ認められません。

では、実際に、企業に雇われている従業員は何をすればいいのでしょうか。慌てず、次のことを確認してみてください。

  1. (1)リストラの対象になった理由は何か

    まずは会社に解雇理由証明書を請求し、そこに記載されている解雇の理由を把握しましょう。

    解雇は前章でご紹介した以外にも、労働基準法では業務上災害のため療養中の期間とその後の30日間の解雇が禁止されているなど、さまざまな法律で規制されています。もし整理解雇の条件をクリアしていない、他の法律に抵触しているなどと判断できれば、解雇が無効とされる可能性が高くなります。

    なお、このように、法律を守らずに行われる解雇を不当解雇といいます。

  2. (2)解雇予告や解雇予告手当の支給があったか

    整理解雇を受けたら、解雇予告や解雇予告手当の支給があったかも確認してください。もしいずれもなければ、整理解雇の効力に影響を及ぼし得る事情のひとつとなり得ます。

    使用者が労働者を解雇する場合、それがどんな理由であっても、原則として解雇日の30日以上前に解雇の予告をするか、解雇予告手当の支給をしなければいけません(労働基準法第20条第1項)。

    たとえば、解雇日が5月31日であれば、遅くとも5月1日までに解雇予告をする必要があります。予告しない場合は、1日の平均賃金×30日分以上の解雇予告手当を支払わなければ法律違反になります。

    なお、解雇予告手当は、解雇予告から解雇日までの日数が短く、30日に満たないときも必要です。その場合は、1日の平均賃金×不足している日数分以上が解雇予告手当となります。

  3. (3)解雇ではなく退職勧奨ではないか

    リストラの違法性を確認するときは、そもそも整理解雇ではなく退職勧奨かもしれない、と疑ってみるのも大切です。

    退職勧奨とは、使用者が労働者に「会社を辞めてくれないか」と声をかけて退職を促す行為をいいます。解雇と違って労働者の意思に委ねるもののため、もし会社を辞めるつもりがないのであれば、その意思をはっきり伝えれば十分です。

    なお、退職勧奨に応じなかった労働者に対して、使用者が圧力をかけて無理に退職を促そうとしたり、実際に解雇したりした場合は違法行為になり得ます。

3、リストラが不当な場合は?

解雇理由証明書や会社の対応から、言い渡されたリストラが不当だとわかったら、解雇の撤回を要求する必要があります。主な流れを見ていきましょう。

  1. (1)証拠を収集する

    会社に解雇の撤回を要求するときは、会社に「それは君の勘違いだ」「自分勝手な要求だ」と言われないように、事前に多くの証拠を揃えるのが鍵です。先ほどの解雇理由証明書だけでなく、就業規則、雇用契約書、業績や評価の記録など、リストラが不当だと示す証拠は何でも集めましょう。

  2. (2)会社と交渉する

    証拠を集めたら、会社に直接交渉を行います。経営者や人事部に訴えるのがベターですが、難しければ直属の上司に一度相談するのもいいでしょう。ただ交渉にまともに応じてくれない可能性は十分にあるので、場合によっては、解雇の撤回を求める通知書を内容証明郵便で会社に送付します。

  3. (3)労働審判で解決を目指す

    会社との交渉がこじれてしまった場合は、労働審判という手続きを取るのが一般的です。労働審判官ひとりと労働審判員ふたりで構成された労働審判委員会立ち会いのもと、会社と話し合いを行い、解決を目指します。労働審判は、3回の審理で終わらせなければいけない決まりがあり、終了まで約70日前後と比較的早いのが特徴です。ただし、その分短期間で、リストラが不当である証拠を提示しながら自分の主張をする必要があります。

  4. (4)訴訟手続をとる

    労働審判に対し、異議を申し立てた場合は訴訟に移行し、裁判所に判断を委ねることになります。どんなに交渉が難航していても、決着をつけられるのが裁判のメリットですが、終了までに1年以上かかることもあります。

4、リストラで退職金は支払われるのか?

リストラを受けてやむなく会社を退職する場合、退職金はどうなるのでしょうか。

基本的にリストラと退職金には、直接的な関係はありません。したがって、雇用契約書や就業規則に退職金制度が記載されているのであれば、退職金は問題なく請求できます。場合によっては、退職時期を早める代わりに増額を求めることも可能です。

ところで、企業によっては、経営不振から退職金制度を変更し、減額を図るところもあります。ただ、退職金制度を変えるには、就業規則の変更が必要です。変更が法的に認められるには、変更を労働者に周知させ、かつその内容が、さまざまな事情と照らし合わせて合理的なものでなければいけません(労働契約法第10条)。

そのため、猶予期間や代替措置を設けていない場合は、変更が無効となる可能性があります。退職金をめぐって、こちらが一方的に損をするような行動を会社がとってきたときは、鵜呑みにしないことが重要です。

5、まとめ

リストラを言い渡されてしまったとき、何よりも大切なのは、納得できないのであれば安易に応じないことです。その上で違法ではないか確認し、会社に撤回を求めるための証拠を揃えましょう。

ただ、話し合いがスムーズにいかず、労働審判や裁判が必要になると、法律に関する専門的な知識が求められます。きちんと自分の主張をしたいと考えているなら、迷わず弁護士に相談してみてください。弁護士なら、労働審判や裁判でのサポート以外に、証拠集めや会社との直接交渉なども代わって行うことが可能です。

ベリーベスト法律事務所 岡山オフィスの弁護士も、もちろんさまざまな面で相談者のフォローができます。ひとりで解決を目指すのが不安な方は、お気軽にご相談ください。

  • この記事は公開日時点の法律をもとに執筆しています

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