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あおり運転をすると暴行罪で逮捕される! 厳罰化に伴う罪と処分内容は?

2018年10月17日
  • 交通事故・交通違反
  • あおり運転
  • 暴行罪
  • 岡山
あおり運転をすると暴行罪で逮捕される! 厳罰化に伴う罪と処分内容は?

平成30年の春、山陽自動車道岡山インターチェンジでは、岡山県警高速隊などを中心に、あおり運転や逆走防止を訴える啓発活動が行われました。「万が一あおられたら110番通報を」と呼びかけています。

あおり運転は、これまでも問題視されていたものの、高速道路に起こった事故をきっかけに、大きな社会問題となりました。これまでは、「あおり運転」そのものを処罰する法令がないことから、感情の赴くままに危険なあおり運転をしてしまう人があとを絶たなかったのです。

しかし、あおり運転は厳罰化の流れが明確に進んでいます。あおり運転によって事故を起こした場合だけでなく、あおり運転をしたこと自体が刑事責任に問われる可能性もあるのです。

今回は、あおり運転で事故を起こした人に向けて、逮捕された場合の罰則や証拠、逮捕後の流れについて、岡山オフィスの弁護士が解説します。

1、あおり運転とは

いわゆる「あおり運転」とは、ほかのドライバーに危険を感じさせるほどの悪質な運転行為を指します。

具体的には、以下のような行為があおり運転に該当し、処罰される可能性があります。

  • 前方車両との車間距離を著しく詰める
  • むやみに車線変更を行って周囲の車両に急ブレーキや急なハンドル操作を生じさせる
  • 車体を極めて接近させる幅寄せ行為
  • しつこく何度もクラクションを鳴らす
  • 不必要に急ブレーキをかける
  • 夜間に他車両の運転を妨げる目的でハイビームを行う

2、あおり運転が厳罰化された背景

あおり運転が危険な運転行為であることはすでに認知されていましたが、平成29年に神奈川県の東名高速道路で起きた交通事故がきっかけで厳罰化の流れが強まりました。容疑者の男のあおり運転によって道路上で停車させられた夫婦が死亡する事故が起き、社会問題へと発展したためです。

これを受け、警視庁から全国の警察へ、平成30年1月からあおり運転に対しての厳しい罰則適用と、厳正な捜査を行う旨が通達されました。

また、冒頭でもお知らせしたとおり、もし自分があおり運転の被害者となったときは、安全な場所へ移動してから110番通報をするような呼びかけも行われています。

3、あおり運転の罪や処分内容

あおり運転をすると、具体的にはどのような罪に問われるのでしょうか。

事件の様態によって、適用される法令は異なります。主に考えられる罪名や処分内容を解説します。

  1. (1)過失運転致死傷罪、危険運転致死傷罪

    あおり運転によって、相手がケガをした、または亡くなってしまった場合には、自動車運転処罰法による「過失運転致死傷罪」や「危険運転致死傷罪」に問われる可能性があります。

    「過失運転致死傷罪」は、故意がなく、不注意が原因だった場合などに適用される罪です。罰則は「7年以下の懲役もしくは禁錮または100円以下の罰金」です。

    「危険運転致死傷罪」は、重大な過失がある場合や、故意がなかったとは到底認められない場合などに適用される罪です。人を負傷させた場合は「15年以下の懲役」、人を死亡させた場合は「1年以上20年以下の懲役」に処されます。

    一時的な感情の高ぶりや驚かせ、嫌がらせ目的であおり運転をしたとしても、最長20年の懲役刑に科せられる可能性があるのです。

  2. (2)暴行罪

    「あおり運転をしたけれど、相手がケガをしていないから罪には問われないだろう」と思うかもしれません。しかし、それは早計です。

    刑法第208条では、「暴行を加えた者が人を傷害するに至らなかったとき」に暴行罪に問われると記しています。つまり、相手がケガをしていないあおり運転でも、意図的にあおり運転をしたという事実さえあれば、暴行罪が成立するのです。

    暴行罪は、法的には「人の身体に対する不法な有形力の行使」によって成立する犯罪とされています。「有形力の行使」とは、必ずしも人の身体に接触する行為のみを指すわけではありません。さまざまな判例においても、殴る蹴るなど明確な暴力だけでなく、水をかけたり、当たらないように石を投げたりなど、身体への接触を伴わなくても身体的な影響を受ける可能性がある加害行為を「暴行」に該当すると判断しています。

    つまり、万が一のことがあれば命さえ奪われる危険行為だと広く知られている「あおり運転」は、まぎれもなく「暴行」だということです。あおり運転をしても事故にならなかった場合でも、暴行罪が適用され、刑罰を受ける可能性があるといえます。

    あおり運転により相手がケガをしてしまうと、暴行罪ではなく、自動車運転処罰法によって罪を問われることになります。暴行罪の罰則は「2年以下の懲役もしくは30万円以下の罰金または拘留もしくは科料」です。

    なお、すでにあおり運転によって暴行容疑で逮捕された例は複数存在しています。たとえば平成30年2月には、愛知県の高速道路であおり運転を行った大学生の男が、同年5月には愛媛県の国道であおり運転をした男が、暴行容疑で逮捕された事例があるのです。

  3. (3)そのほかの処分

    あおり運転の加害者には、自動車運転処罰法や刑法による刑罰だけでなく、そのほかの処分が下されることもあります。

    道路交通法は、道路における交通の危険を生じさせる恐れがある者を「危険性帯有者(きけんせいたいゆうしゃ)」と位置づけ、行政処分を科すことができます。危険性帯有者には、あおり運転を行った者も該当し、免許の取り消しや最長180日の免許停止などが行われます。

    そのほか、道路交通法では、車間距離保持義務違反や追い越し違反など、さまざまな規定が設けられています。違反すれば違反点数の加算や反則金の処分となるほか、反則金を支払わなければ、刑事手続きに発展することもあるでしょう。

4、あおり運転の証拠となるもの

あおり運転の証拠となるものには、ドライブレコーダーがあります。特に、リアカメラがついたドライブレコーダーは、後方からのあおり運転の様子が撮影できるとして、非常に需要が高まっています。

その場から遠ざかれば、証拠はないし大丈夫だろうと考えるかもしれません。しかし、被害者の車両や走行中のほかの車両にドライブレコーダーが装備されていれば、あおり運転の証拠となって捜査され、罪に問われる可能性も考えられます。

さらに、全国の警察ではあおり運転摘発のために、高感度カメラを設置したヘリコプターの運用が開始されています。すでに車間距離保持義務違反で運転手を摘発するなどの成果を挙げています。

また、あおり運転の様子をほかのドライバーから目撃され、通報されるケースもあります。車両ナンバーをひかえられた、スマートフォンで動画撮影されたなどで証拠が残ることも珍しくありません。SNSで拡散されてしまえば、社会的地位が脅かされる懸念もあるでしょう。

5、あおり運転で逮捕されたあとの流れ

あおり運転で逮捕されて刑事手続きを受ける場合、基本的に以下の流れで進みます。

  • 逮捕後48時間以内……警察による取り調べと検察庁への送致
  • 送致から24時間以内……裁判所への勾留請求(引き続き身柄を拘束する手続き)
  • 勾留……原則10日間、延長10日間で最高20日間の身柄拘束
  • 勾留期間満了まで……起訴・不起訴処分の決定

どの程度の期間、身柄が拘束されるのかは個別のケースによって異なります。状況によっては、最長で23日間身柄を拘束される可能性があるということを、覚えておきましょう。身柄が解放されるまでは、拘置所や留置場で寝泊まりすることになり、仕事や学校は休み続けることになります。拘束が長引けば長引くほど、日常生活に支障が出るでしょう。前科がついてしまえば、将来にわたる影響を残す可能性を否定できません。

なお、逮捕後72時間は家族への連絡や面会ができません。唯一、接見を許される弁護士を依頼すれば、直接アドバイスをもらう、家族や職場に連絡してもらう、示談交渉を行うなど今後の対策を講じることができます。

被害者との示談が成立できれば、早期の身柄解放や、前科がつくことを回避できる可能性が高まります。あなたがもしも捕まった時、弁護士は、あなたが犯した罪を償うお手伝いをするとともに、できるだけあなたが受ける不利益を最小限に抑えることができるよう、弁護活動を行います。

6、まとめ

「前の車が遅い」、「追い越しされた」などの理由で、あおり運転をしたことがある方は、要注意です。免許証が直ちに無効となる可能性があるだけでなく、刑事罰を科せられる可能性が高まりました。岡山では、日常生活に欠かせない車だからこそ、運転は丁寧に余裕をもってしたいものです。

近年では、ドライブレコーダーが急速に普及し、証拠をそろえることも容易となっています。あおり運転をしてしまったあと、警察から連絡が来ていて悩んでいる方は、まずは弁護士に相談してみてください。取り調べなどで不当な扱いを受けないよう、弁護士が同行することも可能です。ベリーベスト法律事務所 岡山オフィスが、あなたの反省が被害者に届くよう、全力で弁護活動を行います。

  • この記事は公開日時点の法律をもとに執筆しています

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