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試用期間中に解雇したい! 通常の解雇と異なる点は?

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2019年06月27日
  • 労働問題
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試用期間中に解雇したい! 通常の解雇と異なる点は?

平成31年2月時点の岡山県内における有効求人倍率は、2.01です。全国平均の有効求人倍率が1.63であることを考慮すると、岡山県内の会社は採用意欲が旺盛といえるでしょう。

社員の採用は会社にとって働き手が増えるというプラスの側面があると同時に、問題社員を採用してしまうというリスクを抱え込むことでもあります。しかし、社員の人となりや能力、仕事への資質は、わずか数回程度の面接だけで完全に把握することは非常に難しいものです。それを補完することを目的として、社員の採用後は試用期間を定めることが認められています。もし試用期間中に社員の問題点が明らかになり、それが看過できない程度であれば試用期間が終わるまでに一刻も早く解雇したいとお考えになるでしょう。

しかし、試用期間中だからといって社員をすぐに解雇できるのでしょうか? 通常の解雇と異なる点は何かあるのでしょうか? 使用者側が抱える疑問にベリーベスト法律事務所・岡山オフィスの弁護士が回答します。

1、解雇は簡単にはできない

会社には、正当な理由などがある場合は必要に応じて社員を解雇できる「解雇権」が認められています。

しかし、労働契約法第16条「合理的かつ論理的で、社会通念上妥当な理由が存在しなければ解雇できない」に基づき、正社員に対して期限の定めのない終身雇用制度を採用している国内企業の多くは、欧米と比較して社員を解雇しにくいという事情があります。

終身雇用による長期的な全体主義体制の構築は、戦時中や戦後の高度成長期における会社の維持・成長に大きく寄与してきました。しかし、少子高齢化や近隣諸国の台頭によって日本経済の規模拡大は頭打ち感が強まっており、今後の会社の成長も見込みにくくなってきています。さらに、今後は人間に代わる労働力として、AI(人口知能)やRPA(ロボティック・プロセス・オートメーション)の本格的な普及が見込まれています。社会全体の変化がますます激しくなる中、人材の質とスキル、そして人件費が極めて硬直的にならざるを得ないといえる日本の終身雇用制度は、たしかに今の時代にふさわしくないのかもしれません。これを踏まえると、多くの経営者から人件費を変動費化するために解雇を柔軟に行うことを認めてほしいという声があがる心情は理解できます。

しかし、日本の労働基準法や労働契約法などの労働関係に関する法律は、基本的に会社よりも弱い立場にある労働者の保護を目的に作られています。雇用に関する慣行も同様です。特に解雇については、厳しい適用基準が定められています。解雇はいくら手を尽くしても会社の存続そのものが危ぶまれるときや、注意・指導を何度も試みても改善の見込みなしと判断された社員に対する、あくまで「最終手段」なのです。
これを逸脱した解雇は、会社による解雇権の濫用とされ、解雇そのものが無効になることもあります。たとえ解雇の要件が就業規則や労働契約書に明示されていたとしても、それが先述した労働契約法第16条における解雇権の法理に反するものであれば、同様です。

2、解雇のルールと種類は?

解雇には、一部の例外を除いて基本的に社員に対して事前に解雇する旨を通知する「解雇予告制度」が定められています。そして、解雇は大きく分けて「整理解雇」、「懲戒解雇」、「普通解雇」の3種類があります。以下で詳しくみてみましょう。

  1. (1)解雇予告制度

    労働基準法第20条では、「解雇を行う会社は。原則として解雇する日の30日前までに社員に対して解雇予告を行わなくてはならない」と定められています。

    また、何らかの事情により解雇予告を行わずに解雇する場合、労働基準法第12条の規定により会社は最低30日分の平均賃金を解雇予告手当てとして労働者に支払う必要があります。この解雇予告手当ては、原則として解雇と同時に支払う必要があります。

    後述する懲戒解雇の場合であっても、所轄の労働基準監督署長から「解雇予告除外認定」を受けていないかぎり、上記の解雇予告に関するルールは適用されます。ただし、解雇予告除外認定を受けていない状態で即時解雇した場合でも、それが「労働者の責に帰すべき事由」によるものであれば、過去の裁判例でも解雇は有効となるケースがあります。

  2. (2)整理解雇

    会社の経営が悪化したなど正当な理由がある場合に、労働者の数を削減するための解雇です。日本では、リストラという呼び方が定着しています。

  3. (3)懲戒解雇

    著しい規則違反や犯罪行為など「労働者の責に帰すべき事由」により、会社や顧客へ損害を与えたと認められる場合に会社が一方的に行う解雇です。懲戒解雇の要件は、就業規則や労働契約書に明示されている必要があります。

  4. (4)普通解雇

    整理解雇や懲戒解雇に該当しない解雇です。従業員の勤務成績や勤務態度が極めて悪く注意しても改善の見込みがない場合、病気のため長期にわたり職場復帰が見込めないなど、労働契約の継続が困難と判断される場合の解雇です。

    なお、論旨解雇(懲戒解雇相当の理由がある社員に退職するよう勧告し、応じなければ懲戒解雇とするもの)は懲戒解雇の一形態と解することが一般的ですが、手続きは普通解雇と同様に行われることが多いようです。

3、試用期間中であれば自由に解雇できるのか?

  1. (1)試用期間でも解雇は難しい

    では、解雇したい社員が試用期間中であればどうなのでしょうか?

    試用期間とは、一般的に社員を採用し実際の職務に就かせることで面接や筆記試験などでは確認することができなかった社員の能力や適性をみる期間とされています。

    法律で明確に定義されているわけではありませんが、判例では試用期間のある雇用契約を「解雇権留保付雇用契約」としています。これは会社が採用時では十分に判断できない社員の適性などを見極めるために、会社には試用期間中に社員との雇用契約を解除する権利が留保されていることを意味します。

    ただし、試用期間は採用した社員の「お試し期間」ではありません。「雇用の期間は○月○日まで、それ以後の更新は別途相談」というように期限の定めをしておかないかぎり、雇用契約が成立した時点で社員とは「期間の定めのない労働契約」が成立していると考えられるのです。

    したがって、試用期間における解雇についても通常の解雇と同様に、「合理的かつ論理的で、社会通念上妥当な理由」が求められることになるのです。これは判例でも確認できます。具体的には、以下のような場合が考えられるでしょう。

    • 明らかに業務を遂行する能力がない
    • 遅刻欠勤が多く、勤務態度が極めて悪い
    • 他の社員と協調できない
    • 上記3点についていくら注意・指導しても、改善がみられない
    • 重大な経歴の詐称が発覚した
    • 解雇相当の不正行為があった


    したがって、社風に合わないなどというような漠然とした理由では、試用期間中であろうと簡単に社員を解雇することはできないのです。

  2. (2)長すぎる試用期間も問題

    試用期間の長さについては法令で定められているわけではありません。実際は3ヶ月から6ヶ月と定めている会社が多いようです。ただし、給料を低く抑える、もしくは解雇しやすいようにする目的で、試用期間を不必要に長く設定することや不当に試用期間を延長することは、おすすめできません。

    実際に6ヶ月から15ヶ月の見習社員期間を設定し、それから6ヶ月から12ヶ月の試用社員の期間を経て、さらに試験に合格しないと正社員になれないという某メーカーの制度について、合理性を欠くとした判例があります。

4、試用期間中の解雇の手続きで気を付けるべきポイント

正当な理由があるうえで、やむをえず試用期間中の社員を解雇する場合は、採用して試用期間が開始してから何日目の解雇になるのか、よく確認してください。

労働基準法第21条では、試用期間開始から14日以内の解雇については、労働契約法第20条に定める解雇予告および解雇予告手当ては不要と定めています。ただし、試用期間開始14日以内に解雇する場合でも、「合理的かつ論理的で、社会通念上妥当な理由」は必要です。

5、まとめ

たとえ試用期間中であっても、解雇することは簡単ではないということは、ご理解いただけたと思います。

社員の雇用は法律によって手厚く保護されています。もし不当解雇と認められた場合は、解雇した社員からの多額の損害賠償請求を受けたり、あるいは当局から罰則を受けたりするなどのリスクがあります。また、もし会社が各種労働法令に違反しているとして送検された場合は、地域の労働局により「労働基準関係法令違反に係る公表事案」として会社名や事案概要が公表されます。これにより会社の評判が損なわれ、事業に多大な影響が出るリスクも考えられます。

したがって、たとえ問題がある社員であろうと、解雇には慎重に臨まなくてはいけません。特に解雇の理由については、それが「合理的かつ論理的で、社会通念上妥当か」という法的要件などを満たしているか立証することが解雇の有効性を訴える最大のポイントです。

試用期間中の社員を解雇したいとお考えのときは、ベリーベスト法律事務所・岡山オフィスへ相談してください。会社のリスクを最小化しながらあなたの会社が抱える問題を解決するためベストを尽くします。

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