0120-629-021

平日9:30〜18:00/土日祝除く

メールでのお問い合わせ 24時間・365日受付
メニュー メニュー

事業再生を弁護士に依頼するメリットとは? 事業再生の流れについて解説

2019年12月02日
  • 顧問弁護士
  • 事業再生
  • 岡山
事業再生を弁護士に依頼するメリットとは? 事業再生の流れについて解説

事業が行き詰まると、資金繰りに窮し経営者は資金集めに翻弄(ほんろう)されてしまいます。そして、本業がおろそかになってしまい、売り上げが下がるという悪循環に陥ってしまうことがあります。

何とか事業を立て直そうとギリギリまで頑張る方が多いのですが、事業再生で何より大事なのは、早期に問題点を明らかにして、どのような再生手続きを取るべきかを考えることです。

再生手続きにはどのようなものがあって、事業再生を弁護士に依頼することによってどのようなメリットがあるのかについてベリーベスト法律事務所 岡山オフィスの弁護士が解説していきます。

1、事業再生とは

事業再生とは、立ち行かなくなった事業を再生し、企業の存続を図ることです。債務の返済に追われ、資金繰りが厳しくなると、本業が手につかなくなります。このようなとき、債務の弁済を一部カットしてもらい、不採算事業を見直し、今後も収益が見込める事業を継続することで企業が生き残り、債権者も残りの債権を回収できるようになります。これが「事業再生」です。

事業再生には、大きく分けて「私的整理」と「法的再生」があります。私的整理は、債権者の合意によって債務を一部免除してもらい、再建計画に従い残りの債務を弁済していくというものです。企業価値や社会的信用を維持したまま事業再生を行うことができるのが特徴です。法的再生に比べコストがかからず、迅速に処理できるというメリットがあります。しかし、法的強制力がないため、債権者の協力が全てという側面があります。

他方、法的再生には、「民事再生」と「会社更生」があります。法的再生手続きは、コストはかかりますが、裁判所が介入して厳格な手続きで行われるため、不正が起こりにくく、債権者が平等に扱われるというメリットがあります。しかし、倒産したというレッテルを貼られてしまう場合もあり、信用毀損(きそん)の程度が大きいというデメリットがあります。

民事再生は、民事再生法に基づき、裁判所の監督のもと、債務者自身が主体的に関与し、会社の再建を行うものです。監督委員の同意が必要になりますが、経営陣が引き続き事業経営を行うことができるので、スムーズに事業再生を行うことが可能になります。
再生計画案を作成し、債権者集会で議決権の過半数の同意と議決権者の議決権の総額の二分の一以上の議決権を有する者の同意があれば可決されます。可決されれば、債権カットが行われ、弁済計画に従い弁済していくことになります。もし、可決されない場合は、破産手続きに移行することになり、法人は清算されることになります。

会社更生は、会社更生法に基づき、裁判所の監督のもと、裁判所が選任した管財人により企業の再建を行うものです。担保権の行使も制限されるなど、強力な再建手続きで、主に大規模な会社の再建を想定しています。会社更生となると、財産の管理処分権は管財人に移行し、現経営陣は地位を失います。管財人は、更生計画案を作成し、関係人集会で可決要件を満たせば更生計画に従って、債権カットが行われます。

事業再生のメリットは、事業再生を行うことで、従業員の雇用を守り、取引先との関係を維持することができることです。また、債権者にとっても、清算手続きをするよりも債権回収を多くすることができます。

事業再生の方法には、「自主再生」と「スポンサー方式」があります。自主再生は自力だけで再生する方法です。スポンサー方式は、資金力・信用力のあるスポンサーから新たに信用の供与を受けたうえで事業再生を行うものです。

事業再生を開始すると、新規で融資を受けることは難しくなるため、当面の資金を準備できない場合には、スポンサーを見つけなければ再建は難しくなります。特に、仕入れができないと事業の継続ができませんし、給与の未払いが発生すると優秀な人材が流出してしまうので、スポンサー方式により再生することが必要になります。スポンサー方式は、新たなキャッシュが入ることから、債権者にとってもメリットがある方法であるといえます。

2、事業再生が可能な場合とは

事業態様が時代のニーズにマッチしていないなど、今後の収益が見込めないような場合には、事業再生はできません。事業再生が可能なのは、資金繰りの改善やリストラを行えば持続的に事業が継続すると見込める場合です。

資金繰りの改善は、債務の弁済猶予や債権カット、スポンサーによる支援などによります。リストラについては、不採算事業の売却あるいは廃止、人員整理などを行います。特に、ある程度の規模の会社の場合、多額の運転資金が必要となるので、スポンサーから支援を受けることは不可欠です。したがって、スポンサーからの支援が得られるかどうかが事業再生できるかどうかのカギとなります。

実質的な観点から事業再生が可能な場合の要件について検討してきましたが、事業再生を行うためには、債権者の同意が必要になります。いくら事業再生ができると債務者企業が思っても債権者が同意してくれなければ事業再生はできません。

特に、私的整理の場合、少なくとも大口債権者についての同意が必要です。よほど説得的な再生プランを提示できないと債権者は納得してくれませんので、ハードルは高くなります。他方、法的再生の場合、法定の要件を満たせば反対する債権者がいても債権カットなどの法的効力が発生するので、債権者の同意が得られるかどうかを見極めて、私的整理か法的再生かを選択する必要があります。この債権者の理解というのも事業再生を可能とする重要な要件になります。

以上のような内容について検討し、事業再生できるかどうか判断していくことになります。なお、私的整理が債権者の同意を得られず決裂し、法的再生に流れるということはありますが、基本的に事業再生を行う場合には内密に行う必要があります。取り立て騒ぎなどに発展するおそれがあるからです。

3、事業再生の流れについて

事業再生を行う場合の流れとしては、①財産状況の把握、②事業再生の手段の検討、③再生計画案の作成、④債権者への説明または法的再生手続きの申し立て、⑤事業再生開始、⑥事業再生完了という流れになります。以下個別に説明します。

  1. (1)財務状況の把握

    まずは何よりも、現状の財務状況を把握することからはじまります。いくら負債があって、毎月の返済額はいくらなのか、正確に把握しなければ再生はできないからです。特に大口債権者と担保の有無、経営が行き詰まっている原因について財務的観点から分析することが必要です。

  2. (2)事業再生の手段の検討

    財務状況を確認したら、その内容をもとにどのよう方法で事業再生を行うのか検討します。債権者の数が少なく、債権者が債務免除に応じてくれたなら再建が可能で、任意の協力が得られそうな場合には、「私的整理」を検討することになります。逆に、債権者の数が多く、債権者の任意の協力が得られそうもない場合には、「法的再生」を検討することになります。私的整理がうまくいかなくて法的再生ということもありますが、どちらの手続きが適しているか方向性を決めます。

  3. (3)再生計画案の作成

    私的整理をするにしても、法的再生をするにしても、再生計画が妥当であることを説得的に説明できなければなりません。当面の資金繰りの目途、スポンサーの有無、収益見込み、リストラの予定などをそろえて、再生計画案を作成します。

  4. (4)債権者への説明または法的再生手続きの申し立て

    私的整理を行う場合には、債権者に対して誠実に謝罪し、再生計画案の内容を説明し、同意を得る必要があります。他方、法的再生であれば、民事再生または会社更生の申し立てを裁判所に行うことになります。私的整理で債権者の同意が得られれば、私的整理が開始し、法的再生で裁判所から認可決定を受けることができれば法的再生手続きが開始します。

  5. (5)事業再生開始

    私的整理が成立した場合、再生計画に従い履行していくことになります。法的再生のうち民事再生を前提にすると、その後定められたスケジュールに従い、債権者集会などが開催され、債権者から可決要件を満たす同意が得られれば、裁判所より再生計画認可決定が下ります。その後は、再生計画に従い履行していくことになります。

  6. (6)事業再生完了

    再生計画通りに履行が完了すれば、事業再生はすべて完了します。その後は、通常の事業会社として運営していくことになります。

4、事業再生を弁護士に依頼するメリット

債務者である事業者は自分の会社を何とか立て直したいと必死だと思いますが、事業再生というのは、債権者の犠牲の上に成り立つものです。もし仮に「100万円分の仕事をして、20万円の支払いで勘弁してくれ」と言われたらどう思うでしょうか。頭にくるのが自然な感情だと思います。

このような説明や交渉を債務者自ら行うというのはとても大変なことです。もちろん、債務者として誠実に謝罪することは必要ですが、手続き的なことは、弁護士に委任した方が楽になります。何より間に弁護士が入ることで、債権者も冷静になることができます。社長から「債務を免除してほしい」と言われても納得できない場合でも、弁護士から「債務を免除してほしい」と言われれば、「話だけは聞こう」ということになったりもします。

事業再生というのは、私的整理にしても、法的再生にしても法律の知識が求められます。債権放棄、事業譲渡、民事再生手続というようにさまざまな法的処理が必要になります。これを弁護士なしで全て行うのは困難と言えます。

弁護士であれば、債権者との交渉、債権者集会での説明、民事再生の申し立てなど、全て任せることができます。特に顧問弁護士がいる場合には、会社の事情についても理解しているので、交渉もスムーズになります。

5、まとめ

今回は、事業再生について解説してきました。事業再生を必要とする状況にある企業経営者の方は資金繰りなどに追われ非常に疲れているはずです。会社を守るためには早期に再生手続きを開始することが重要です。

事業再生手続きは、民法、会社法、民事再生法など、広範な法律知識が必要になります。これを個人で行うことは非常に難しいことなので、弁護士に依頼することをおすすめします。

ベリーベスト法律事務所 岡山オフィスでは、事業再生ついての知見を有する弁護士が在籍しておりますので、事業再生についてお悩みでしたらどうぞお気軽にご相談ください。

  • この記事は公開日時点の法律をもとに執筆しています

お気軽にお問い合わせください ご相談の予約はこちら

0120-629-021

平日9:30〜18:00/土日祝除く

メールでのお問い合わせ
24時間・365日受付

お気軽にお問い合わせください ご相談の予約はこちら

岡山オフィスの主なご相談エリア

岡山市北区、岡山市中区、岡山市東区、岡山市南区、倉敷市、津山市、玉野市、笠岡市、井原市、総社市、高梁市、新見市、備前市、瀬戸内市、赤磐市、真庭市、美作市、浅口市、和気郡、都窪郡、浅口郡、小田郡、真庭郡、苫田郡、勝田郡、英田郡、久米郡、その他の市町村、鳥取県、島根県にお住まいの方

ページ
トップへ