Googleマップへ悪質な口コミを投稿された! 削除方法と削除できない場合の対処法
- 削除請求
- Googleマップ
- 口コミ削除
- 岡山
平成30年7月、岡山県岡山市の路線バスを運行する「両備グループ」が、Googleマップへバス運行情報の提供を開始したと発表しました。全国初となるオープンデータのリアルタイム公開は、岡山市民にとってGoogleマップがさらに身近な存在になったと言えそうです。
便利な半面、Googleマップに悪意ある口コミを投稿され、企業や個人店、施設の経営者が頭を悩ませるケースも少なくありません。根も葉もないうわさや誹謗中傷を書き込む人もいるようですが、経営者は泣き寝入りするしかないのでしょうか。
今回は、Googleマップへの書き込み被害に遭っている方に向けて、口コミ削除の方法や削除できなかった場合の対処法について解説します。
1、Googleマップ(マイビジネス)の口コミ機能とは
Googleマップには地図としての機能だけでなく、ユーザーが店舗や施設の口コミを投稿する機能が備わっています。Googleアカウントがあれば口コミを投稿することができ、アカウントがなくても誰でも口コミを見ることができます。ユーザーにとっては、基本情報に加えて口コミも確認できるため、店舗や施設を利用する際の判断材料として活用できる便利さがあります。
一方で、Googleマップは店舗や施設にとって、営業日や住所などのほか、最新情報を更新して顧客にアピールできる集客ツールの役割を持っています。しかし、根拠のないネガティブな口コミが投稿されることで、店舗や施設側が迷惑を被ってしまうケースが後を絶ちません。ユーザーは地図などを確認する段階で意図せずとも口コミを目にすることになるため、企業ブランドへの影響は非常に大きいと考えられます。
2、Googleマップ(マイビジネス)で削除対象となる口コミ
Google社が公開しているポリシーに違反する口コミであれば削除される可能性があります。口コミの投稿内容は、実際の体験や正確な情報に基づくものでなければならず、意図的な虚偽情報の投稿は認められていません。また、次のような口コミも削除対象となります。
- 話題と無関係な口コミ……政治的な主張や個人的な不満など掲載店舗や施設の実体験とは関係のない口コミのことです。
- 中傷的な表現の使用、個人攻撃、悪意ある表現……「○○店の△△という店員がブサイク」「病院で薬漬けにされた」と非難するようなケースが該当します。
- 個人情報、機密情報……身分証の番号、クレジットカード情報などが記載された口コミです。
- 利用規約に違反するコンテンツ……露骨な性的コンテンツや違法なコンテンツなどです。
- そのほか……宣伝、スパム、なりすまし、他webサイトへのリンクの記載、違法性のあるもの、利害に関するものなどが該当します。
3、Googleマップ(マイビジネス)の口コミを削除する方法
Googleマップの口コミを削除するには、Google社にポリシー違反を報告し、削除をリクエストします。以下はパソコンの場合の操作方法です。モバイルの場合はGoogleマイビジネスアプリを起動させ、メニューアイコンから同様の手順を踏みます。
- 1)Googleマイビジネスにログイン
- 2)「ビジネスを管理」画面を開く
- 3)画面左側のメニューから「口コミ」をクリック
- 4)該当する口コミの右上にある3つの点マークから「不適切なコメントを報告」をクリック
- 5)「口コミを報告」「続行」をクリック
- 6)「ポリシー違反を報告」画面でメールアドレスの登録と違反の種類を選択して送信
4、削除はどのくらいの確率でされる?
リクエストしたとしても確実に削除されるとは限りません。削除されるのはあくまでGoogle社が口コミをポリシー違反や利用規約違反だと認めた場合に限られるためです。
たとえば、店員の接客態度に不満を感じた利用客が「接客が最悪だった」と投稿しても、個人の捉え方の問題であって違反と見なされない可能性もあります。こうしたネガティブな口コミがすべて削除されてしまえば、Googleマップのユーザーは公平性のある情報を得ることができません。ユーザーには知る権利があり、投稿者にも表現の自由がありますので、依頼側がポリシー違反だと思っていても、Google社は削除に応じないことがある……ということです。
投稿内容によって削除される可能性は変わってきますが、ビジネスで利用している人の中には「かなり厳しくてよほど悪質でなければ削除されない」と感じる方もいるようです。一方で、「スムーズに削除された」と語る方もいます。
Google社も「不適切なものは自主的に削除している」と述べていますので、削除が非常に困難というわけでもないでしょう。リクエストに応じてもらえるか否かはあくまでもGoogle社の判断に委ねるしかありません。
5、Googleマップ(マイビジネス)の口コミが削除できなかった場合の対処法
ポリシー違反の報告とリクエストを行ったにもかかわらず、口コミが削除できなかった場合の対処法を紹介します。
-
(1)自身でできることをする
経営者と社員が一丸となれば、悪い口コミも好印象なものとなるよう、対策を講じることができます。
ひとつは誠心誠意対応することです。Googleマップの口コミに対しては返信ができますので、丁寧なコメントを返しましょう。悪い口コミが自社の経営を見直したり、社員の質を高めたりするきっかけとなる場合もあります。別のユーザーからは、悪い口コミに対しても誠実に対応している印象を与えることができます。
もうひとつの手としては、口コミ数を増やす努力をすることも効果的です。どんなに良い店舗や施設であっても、100%、誰からも同じように高い評価を得ることはありません。誰しも好みがあり、中には悪い口コミもあるでしょう。そこで、悪い口コミが他のユーザーの印象へ及ぼす影響を小さくするため、口コミ全体の数を増やします。「良かったら口コミしてくださいね」など、口コミの投稿を強要しない形で、地道に口コミ数を増やそうと働きかけるようにすることで、悪い口コミを目立たなくさせる効果を得られます。 -
(2)弁護士に相談する
Google社ではポリシー違反に該当しないと判断しても、法律に抵触する内容であれば弁護士を通じて削除を依頼することができます。悪質な口コミ投稿を行う者が問われる可能性がある罪としては、「名誉毀損(きそん)罪」や「侮辱罪」が考えられます。
たとえば「名誉毀損罪」は、公然と人の名誉を傷つける事実を示すことで成立する罪です。真実か否かは問われませんので、真実であったとしても名誉毀損罪は成立し得ます。一方で、事実を示したわけではない投稿の場合、たとえば単なる意見や感想は、内容によっては「侮辱罪」にあたります。
法律に抵触していることを理由に訴訟を起こすことも選択肢のひとつです。参考までに、Googleの削除に関する訴訟と地裁の決定を2つご紹介します。
<口コミ削除の請求が認められたケース>
「Googleマップにうその内容で中傷する口コミが表示されることで名誉を傷つけられた」として、医療機関がGoogle社に口コミ削除を求めた訴訟に対して、平成27年4月7日、千葉地裁は口コミ削除の仮処分決定を出しています。
<口コミ削除の請求が却下されたケース>
「自社名を検索すると詐欺などと表示されたことが名誉毀損にあたる」としてGoogle社に検索結果の削除を求めた訴訟に対して、平成30年1月31日、東京地裁は、「検索結果が真実ではないとは認められない」として削除を認めなかった。Google社は、国民生活センターに相談事例があったことを根拠に削除に応じていなかった。
名誉毀損などの罪にあたるのか、削除が認められるのかは個別のケースによって異なります。いずれにしても、違法性を主張する場合は弁護士の力が必要になります。まずは、弁護士に相談して、口コミが法律に抵触しているかどうかを判断してもらうことからはじめましょう。
6、まとめ
今回は、Googleマップの口コミでお困りの方に向けて、削除する方法や削除されなかった場合の対処法を解説しました。
ネット上の書き込みには悪質なものもあり、その情報は瞬く間に拡散してしまうというリスクもあります。放置するわけにはいかない口コミが発見された場合は、削除のリクエストや自社での対策に加えて、弁護士への相談をおすすめします。
まずはベリーベスト法律事務所 岡山オフィスで相談してください。ITやインターネットに詳しい弁護士が、悪質な口コミの削除がスムーズに行えるようアドバイスします。
- この記事は公開日時点の法律をもとに執筆しています
- |<
- 前
- 次
- >|