借金を減額したい! 任意整理のメリットや任意整理が向いているケースを弁護士が解説

2019年03月14日
  • 任意整理
  • 借金
  • 減額
  • 岡山
借金を減額したい! 任意整理のメリットや任意整理が向いているケースを弁護士が解説

岡山市が発表している資料によると、平成27年に自ら命を絶つに至った動機でもっとも多いものは健康問題、時点に経済・生活問題が続いています(その他を除く)。豊かになったと言われ続けている現代ですが、残念ながらお金の問題で苦しむ方は少なくないと考えられます。

借金の返済が毎月の生活費を圧迫していて、もう限界だと思っていませんか?
「借金を返済できなければ家族にバレてしまう」
「どうにか返済するしかない、できなければもう……」
そのように思いつめている方もいるかもしれません。しかし、借金を減額する方法は、複数あります。ひとりで思いつめず、まずは弁護士に相談してください。

今回は、任意整理の主なメリットや向いているケースなどを岡山市の弁護士が解説します。毎月の返済額を何とかしたい、借金を減額したいけど家族や会社にはバレたくないと考えている方は、ぜひ参考にしてみてください。

1、借金を減額するなら「任意整理」がおすすめ

借金を減額したり、長期間の分割払いに変更するなど、借金の返済による負担を軽減したりすることを「債務整理」と呼びます。

債務整理には、任意整理、自己破産、個人再生、特定調停……などの方法があり、状況に応じて選択することになります。まずはそれぞれの具体的な内容について知っておきましょう。

  1. (1)任意整理とは

    任意整理とは、裁判所を通さずに、消費者金融やクレジットカード会社などの貸金業者と和解をし、返済の負担を軽減する方法です。利息制限法に基づき、これから先の返済額を計算し直してもらいます。

    支払いすぎた利息(過払い金)があれば返してもらえますし、これから支払う予定だった利息もカットしてもらえる可能性がある方法です。

  2. (2)自己破産とは

    自己破産とは、裁判所を通して借金をゼロにしてもらう方法です。収入や資産、借金の総額などにより、裁判所が支払い不能と判断した場合にのみ認められます。

    ただし、借金の原因が浪費やギャンブルだった場合や、滞納した税金については、支払わなくてもよい(免責)とは認められません。また、自己破産後は信用情報に事故情報が掲載されたり、就く仕事が制限されたりするデメリットもあります。

  3. (3)個人再生とは

    個人再生とは、裁判所を通して借金を減額してもらい、新たな返済計画を作成して返済していく方法です。借金の額や内容によって、借金が全体の5分の1程度にまで減ることがあります。

    自己破産とは異なり借金がゼロになるわけではないものの、借金の金額が多ければ多いほど返済額は大幅に減りますし、持ち家を手放すことなく進められる方法です。しかし、個人再生には難しい手続きが必要なことや、高額な費用がかかることなどのデメリットもあります。

  4. (4)特定調停とは

    特定調停とは、簡易裁判所を通して消費者金融やクレジットカード会社などの貸金業者と和解をする方法です。債務を整理する方法は、任意整理とよく似ています。利息制限法に基づき、借金自体を減額してもらったり返済額を減らしてもらったりする方法です。

    簡易裁判所の調停員が仲裁に入ってくれるとはいっても、調停員が債務者の味方になるわけではありません。債務整理に非協力的な貸金業者(債権者)が相手の場合、納得のいく弁済計画とならない可能性もあるので注意が必要です。

2、任意整理の主なメリット

4つもある債務整理の中でも、任意整理が多くの方に利用されています。その理由は、任意整理のメリットにあります。

  1. (1)家族や会社へ知られるリスクが少ない

    任意整理は、家族や会社へ知られるリスクが少ない方法です。債務整理の中には家族や会社へ知られるリスクのある方法もありますが、任意整理は整理する業者を自分で選べるのでリスクを抑えられます。

    たとえば、家族や友人、同僚などに借金の保証人となってもらっていた場合、任意整理を選択すれば、「該当の借金には手をつけずにほかの借金だけを整理する」などの対応が可能です。整理をしなければ、保証人に知られることもありません。

  2. (2)借金の督促がストップする

    債権者からの督促が続くことで家族や会社に借金のことを知られてしまうケースは少なくありません。

    任意整理を弁護士に依頼すれば、借金の督促がすぐにストップします。ただし、督促が止まるのは債権者が弁護士や司法書士から受任通知を受け取った場合のみです。

  3. (3)裁判所を通さない

    任意整理は、裁判所を通さずに債務整理できる方法です。裁判所を通さないことも、依頼者にとっては大きなメリットのひとつになります。

    裁判所を通して債務整理をすると、時間と労力、そして何より費用がかかります。また、自己破産をすると、官報などに名前が掲載されてしまうため、その事実が知られてしまうこともあるでしょう。任意整理であれば裁判所へ足を運ぶ必要はありません。弁護士に依頼することで、難しい手続きや交渉もすべて委任することができます。

  4. (4)将来の利息をカットしてもらえる

    任意整理では、利息制限法に基づいて債権者に今後の返済額を計算し直してもらうケースが多々あります。和解の内容にもよりますが、任意整理をすることでこれから支払う予定だった利息をカットしてもらえるケースは少なくありません。

  5. (5)過払い金の返還を請求できる

    任意整理を行う際、過払い金があれば、その返還を請求できます。

    過払い金とは、利息制限法によって定められた利率を超えて支払った利息のことです。返済期間が長ければ長いほど返還してもらえる金額も大きくなるため、場合によっては借金がゼロになることもあります。

3、任意整理が向いているケース

では、どのようなケースが任意整理に向いているのでしょうか。

債務整理を考える人の中でも、以下にあてはまる人は「任意整理」が適していると考えられます。

  • 借金の返済が生活費を圧迫している人
  • 自己破産はしたくないが債務は整理したい人
  • 債務整理のことをだれにも知られたくない人
  • 浪費やギャンブルが原因で借金をした人
  • 借金の督促がたくさんきていて、家族や会社にバレそうな人
  • 仕事が忙しく、裁判所へ行く時間を取るのは難しい人
  • 利息の支払いに精一杯で元本を減らせない人
  • 高金利な貸金業者から借金をしている人
  • 定期的な収入があり、少額ずつでも借金を返す意思がある人

ただし、以下のケースに当てはまる人は任意整理が向いていないため注意してください。

  • 借金が300万円を超えている人
  • 安定した収入がない人
  • 住宅ローンの返済を整理したい人

いずれにしても、借金に悩んでいるときは、まずは弁護士や司法書士などの専門家へ相談しましょう。

4、まとめ

弁護士や司法書士へ依頼をして、借金の減額を交渉する「任意整理」手続きに入ると、依頼を受けた弁護士や司法書士は、債権者へ通知を送ります。その時点で督促がやむため、冷静な判断力を回復させられるのではないでしょうか。

ただし、自分で債権者へ通知を送っても督促はやみません。専門家が通知を送ることで督促がやむのは、債務整理に弁護士や司法書士が介入したら債務者に取り立て行為をしてはいけないと貸金業法により定められているからです。(貸金業法第21条1項第9号)

一般の方が自分で和解を進めても、希望どおりの契約を結べるとは限りませんので専門家へ依頼することをおすすめします。ベリーベスト法律事務所 岡山オフィスでも、相談をお受けします。借金でお困りであれば、ひとりで抱え込まず、まずは連絡してください。

  • この記事は公開日時点の法律をもとに執筆しています