顧問弁護士を利用するメリットとは? その活用方法と選び方を岡山の弁護士が解説

2019年09月03日
  • 顧問弁護士
  • 顧問弁護士
  • メリット
  • 岡山
顧問弁護士を利用するメリットとは? その活用方法と選び方を岡山の弁護士が解説

取引が増えてくると契約書の確認や法的リスクの検討などやるべきことが増えてきますが、人手不足のご時世なので、法務担当の職員を雇うのもなかなか難しい状況にあります。また、人件費は固定費になるので費用も結構かかります。そんなときに役に立つのが「顧問弁護士」です。

岡山弁護士会に所属する弁護士数は、平成31年4月1日現在で408名います。事件が起きてから、急いで弁護士を探すということは結構大変なことです。弁護士は、利益相反行為や双方代理が禁止されているので、誰にでも依頼できるというわけではありません。あらかじめ決めておくことが重要になります。

そこで、今回は、顧問弁護士を依頼した場合にはどのようなメリットがあるのか、また、顧問弁護士の活用方法や選び方などについてベリーベスト法律事務所 岡山オフィスの弁護士が解説します。

1、顧問弁護士を雇う6つのメリット

  1. (1)法務部の設置、法務部員を雇用するよりも安価

    ある程度の規模の会社になると、会社のリーガルチェックをするために法務部門を設置する会社は多くなります。しかし、中小企業の場合、独自で法務部門を持つことは、人材獲得の点とコストの面から難しいのが現実です。

    その点、顧問弁護士は法務部門の代替としての機能が果たせるので、リーガルチェックを行いたい会社にとって法務部門を設置するより安価で済みます。

    さらに、訴訟などの紛争に発展した場合に法務部門との調整をすることなく、直ちに顧問弁護士が対応することが可能になります。

  2. (2)気軽に相談できる

    弁護士への相談は、顧問契約を締結しなくてもスポットで行うことができます。ただ、スポットで相談する場合、毎回相談料が発生します。そのため、気軽に相談ができず、どうしても重い事案に限られてしまいます。なかには紛争になってから相談するということもあるでしょう。

    しかし、法的トラブルは、事前の対策によって回避可能なものが多いので、事案の軽重にかかわらず、早期に法的リスクの検討をすることが重要です。顧問弁護士であれば、顧問料の中に、一定の相談料が含まれていることが多いので、相談料を気にすることなく気軽に相談できます。

    顧問弁護士の場合には、常に会社と弁護士が委任関係にあるので、優先的に相談に乗ってもらえます。緊急を要する事案かどうかを判断すること自体、弁護士でないと難しいので、どんなささいな問題でも顧問弁護士に相談することをおすすめします。

  3. (3)継続的な関係を構築することで会社の内容を理解してもらえる

    顧問弁護士は、顧問先企業と相談などを通じて密接に関係していきますので、会社の事情についても細かく把握することが可能です。何か問題が起こった場合でも、会社の事情を知っている場合と知らない場合とでは対応の仕方に差がでます。

    会社の内容を把握していることで、ガバナンス体制の構築や株主総会対策、また、M&A対策など会社の業務内容と密接に関連する業務にも応じることが可能になります。何より、継続的な関係を続けることで信頼関係を構築することができるので、より親身になって相談に応じてもらえるようになります。

  4. (4)法的トラブルの予防になる

    中小企業の取引では、口約束での取引もたくさんあります。長い付き合いなので問題は発生しないだろうと考えている経営者も多いのですが、その取引先が買収されてファンドなどから新たな経営陣が送り込まれた場合、口約束があるからと権利を主張しても、契約書がなければその主張を証明することは極めて困難になります。

    買収などされないという場合でも、経営者が突然病気や交通事故で亡くなるということあります。そうなった場合に、先代の経営者と約束していたという主張が認められるとは限りません。

    そのため、紛争を予防するためには契約書を作っておくことが重要になります。弁護士であれば、問題が生じないよう契約書を作成してくれるので、トラブルを未然に防ぐことができる可能性が高まります。

  5. (5)弁護士を探す手間が省ける

    弁護士はたくさんいるのだから、探すことは難しくないと思われている方もいるかもしれませんが、弁護士にも専門分野というものがあります。目が痛いのに耳鼻科にいっても意味がなく、眼科に行くべきというように、依頼内容に応じた弁護士に依頼する必要があります。

    殺人事件などの刑事弁護を専門にやっている弁護士に会社の法的トラブルの相談をすることは適切とは言えません。「どんなことでも相談してください」とうたっている法律事務所もありますが、少なくとも顧問先を持ち、企業法務の経験を有する弁護士に依頼すべきです。

    このようなことから、意外に適切な弁護士を探すことは大変で時間のかかることです。事件が起きてからでは遅いので、あらかじめ時間に余裕のあるときに顧問弁護士を見つけておくことをおすすめします。

  6. (6)社会的信用が増す

    顧問弁護士を持つと、通常、ホームページなどに顧問弁護士名を記載することができます。顧問弁護士がいることを対外的に示すことができると、コンプライアンス体制が整っていると思われ、社会的信用が高まります。

2、顧問弁護士の活用方法

顧問弁護士はさまざまな法的トラブルに対応してくれますが、主なものをご紹介します。

  1. (1)契約書の作成と内容確認

    ビジネスを行う上で、契約書を作成したり、先方が作成した契約書の内容をチェックしたりすることが多々ありますが、契約書の作成や内容のチェックを顧問弁護士が行ってくれます。不利な内容とならないよう作成またはチェックしますので安心です。

  2. (2)債権の回収

    請求書を送付しても代金を支払ってもらえないという場合、それが大口であれば、場合によっては資金繰りにも影響を及ぼします。資金ショートを起こせば、倒産ということもありえるので、早めに債権を回収することが重要です。督促状や内容証明郵便を送るにしても弁護士名で送付すると効果は全然違いますので、早期に回収できる可能性が高まります。

    万が一、それでも支払わない場合には、支払督促や少額訴訟など法的手段をとることができるので、迅速に債権を回収することができます。

  3. (3)各種ハラスメント対策

    最近は、セクハラ、パワハラ、マタハラというようにさまざまなハラスメントによって、会社が訴えられるリスクがあります。そのようなことが起こらないよう、事前に研修を行うことも弁護士に依頼できます。また、実際にハラスメントの主張がなされた場合には、労働紛争に発展しないよう迅速に弁護士が対処します。

3、顧問弁護士を選ぶポイント

•専門分野が依頼内容と合致しているか
離婚を専門とする弁護士に企業法務を依頼するのは適当ではありませんので、企業法務を専門にしている弁護士であることが重要です。また、大企業を得意とする法律事務所と中小企業を得意とする法律事務所があるので、規模にマッチした法律事務所を選ぶようにしましょう。できれば、同じ業界の顧問経験がある弁護士が望ましいです。

•連絡が早い
これは、弁護士に限らず求められることですが、応答が早いということは重要です。急ぎで契約書のチェックを依頼したいのに、連絡が取れないというのでは、顧問契約の意味がないからです。相談したいときにすぐに法律相談に乗ってもらえるかは顧問契約を締結する上でとても重要です。

•わかりやすい説明
法律用語には難しいものがあり、法律を学習したことのない方が聞いてもわからないものが多々あります。弁護士は法律用語に慣れているのでつい使ってしまいがちですが、依頼者は法律の専門家ではないので、法律用語をわかりやすく一般の言葉で説明しなければなりません。難しい話ばかりして何がいいたいのかわからないという弁護士がいたら、その弁護士とは顧問契約を結ぶべきではないかもしれません。

•積極的な提案がある
聞かれたことしか答えないのではなく、積極的に提案してくれる弁護士は良い弁護士です。法的にどうすることがよいのかわからないこともあるので、法律家としての視点で専門的な提案をしてくれることは重要です。

•業界に精通しているか
パソコンを使ったことのない弁護士にIT業界の話をしてもかみ合わないように、依頼する企業の業界事情についてある程度理解がある弁護士を選ぶことが重要です。

4、まとめ

これまで、顧問弁護士を利用するメリットとその活用法について説明してきました。弁護士というと法律のことは何でも知っていると思っている方もいるかもしれませんが、日本の法律は2000近くあるので、その全てを知っているわけではありません。

それぞれの分野にそれを得意とする弁護士がいますので、それを見つけることが重要です。ベリーベスト法律事務所は、企業法務の経験豊富な弁護士が多数在籍しており、さまざまな業界の企業と顧問契約を締結しています。業種別に専門チームがあり、そのノウハウは全国の弁護士に共有されていますので、あらゆる業界に向けて適切なリーガルサービスを提供することができます。顧問弁護士を探したい、顧問契約について詳しく知りたいとお考えでしたら、ぜひベリーベスト法律事務所 岡山オフィスまでご相談ください。弁護士が貴社事業の発展と安定経営に向けてサポートいたします。

  • この記事は公開日時点の法律をもとに執筆しています