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加害者が複数いる場合は共同不法行為責任? 実際の裁判例と損害賠償請求

2022年02月08日
  • 損害賠償請求
  • 共同不法行為責任
加害者が複数いる場合は共同不法行為責任? 実際の裁判例と損害賠償請求

たとえば、交通事故に巻き込まれた場合、不法行為として加害者に対して治療費や精神的苦痛などの損害賠償を求めるのはごく一般的なことです。では、加害者が複数の場合は、誰に損害賠償を請求すればよいのでしょうか?

加害者が複数の場合の不法行為には「共同不法行為責任」が発生することがあります。共同不法行為責任が生じた場合、すべての加害者が被害者に対する賠償責任を負うことになりますが、被害者としては「どの加害者に、どのくらいの賠償を求めればよいのか」という疑問を抱えることになるでしょう。

本コラムでは「共同不法行為責任」について岡山オフィスの弁護士が解説します。実際の裁判例を交えながら、誰に、どのくらいの損害賠償を求めることになるのかを確認していきましょう。

1、加害者が複数いる場合は「共同不法行為責任」が発生する

まずは「共同不法行為責任」とはどのようなものなのかを確認します。

  1. (1)「共同不法行為責任」とは

    たとえば、AとBがそれぞれ運転する自動車が接触事故を起こして歩行者Cがその事故に巻き込まれた場合、被害を受けた歩行者Cにとって、加害者はA・Bの両名です。

    このようなケースは、民法第719条に定義されている「共同不法行為」に該当します。

    共同不法行為責任とは「数人が共同の不法行為によって他人に損害を加えたとき、各自が連帯してその損害を賠償する責任を負う」という考えかたです。

    「共同の不法行為」という表現があることから、刑法の共同正犯と同様に、行為者の間に共同実行の意思や謀議等の意思の疎通がないと成立しないのではないかとも思えるでしょう。
    ところが、共同不法行為においては、客観的に不法行為が共同で行われたという事実があれば足りるため、行為者の間の意思の疎通は必要ないとされています。

    なお、民法第719条1項では「共同行為者のうちいずれの者がその損害を加えたかを知ることができないとき」も共同不法行為責任が生じると定められています。

    たとえば、複数人でひとりに暴行を加えて死亡させたとき、誰が絶命させたのかが判然としないとしても全員が連帯して死亡についての賠償責任を負うことになります。

  2. (2)共同不法行為責任と「不真正連帯債務」の関係

    共同不法行為責任を負う者は、それぞれが被害者に対して「不真正連帯債務」を負います。

    不真正連帯債務とは「連帯債務」のひとつです。通常、連帯債務を負う者のうち一部の者が債権者から債務の免除を受けると、ほかの連帯債務者も同様に免除されます。

    ところが、不真正連帯債務では、一部の者が債務の免除を受けてもほかの連帯債務者の債務は免除されません。連帯債務のうち、債権者の保護を強化し、債務者により重い義務を負わせるのが不真正連帯債務なのです。

2、共同不法行為における「求償」と「免除」

共同不法行為責任を負う者は、それぞれが損害の全額を賠償する義務を負います。

先に挙げたA・Bによる衝突事故で歩行者Cが巻き込まれた負傷したケースで考えれば、Cは、A・Bのいずれか一方に対して治療費や慰謝料などを全額請求することが可能です。

では、ここで歩行者CがAに対して全額を請求し、Aが全額を賠償した場合、Bの責任がなくなるのかといえば、そうではありません。共同不法行為責任を負う者のうち、いずれかひとりが全額を賠償した場合、ほかの共同不法行為者は「求償」を受けることになります

  1. (1)共同不法行為における求償とは

    共同不法行為における「求償」とは、共同不法行為責任を負うひとりが被害者に対して損害を賠償した場合に、ほかの共同不法行為者に対して償還を求めるという意味です。

    たとえば、A・Bの2名による共同不法行為によって100万円の損害が発生し、Aが単独で100万円を賠償した場合、AはBに対して自身の責任割合を超えた部分についてBに求償が可能です。

    責任割合がA=7割・B=3割だったとすると、AにはBに対して求償権にもとづき、賠償した100万円から自分の責任割合である7割、つまり70万円を差し引いた30万円を請求する権利が認められます。

  2. (2)一方が損害賠償を免除された場合の求償

    共同不法行為によって生じた債務は不真正連帯債務にあたるため、もし共同不法行為者のうちひとりの債務が免除された場合でも、ほかの共同不法行為者の債務は免除されません。

    たとえば、通常の連帯債務でA・Bが7割:3割で100万円の賠償責任を負う場合、Aの債務が免除されたとしてもBの債務は免除されないので、Bは30万円の賠償責任を負います。

    ところが、共同不法行為責任を負う者はそれぞれ損害の全額を賠償する責任を負うので、被害者はBに対して全額100万円の請求が可能です

    この場合、Bは被害者に対して100万円を支払うことになりますが、BにとってAの債務免除は無関係なので、自身の責任割合を超えた70万円の求償権をもちます。

    Aは、被害者に対する債務を免除されても、Bからの求償権は免除されないため、求償を受ければ自身の責任割合に応じてBに70万円を支払わなければなりません。

3、共同不法行為責任の裁判例

共同不法行為責任が問題となった実際の裁判例をみていきましょう。

【最高裁 昭和41(オ)58 損害賠償請求】
この裁判例は、タクシーと第三者の自動車が衝突事故を起こし、タクシーの乗客が胸部・頭部打撲などの怪我を負った件について、乗客への全額の賠償を尽くしたタクシー会社に第三者の自動車の運転手に対する求償権を認めたものです。

  1. (1)賠償金を支払った会社は第三者に求償権を行使できる

    被用者であるタクシーの乗務員・使用者であるタクシー会社・事故の当事者である第三者の自動車の運転手は、いずれも「乗客を負傷させた」という共同不法行為責任を負います。

    つまり、タクシー乗務員・タクシー会社・第三者の自動車の運転手は、各自が乗客の全損害を賠償する義務を負うことになり、共同不法行為者のひとりとして全額を賠償したタクシー会社は、タクシー乗務員と第三者に対する求償権をもちます。

  2. (2)第三者の負担部分は過失割合によって決まる

    タクシー会社がもつ求償権は、自身の責任割合を超えた部分です。

    交通事故にはそれぞれに過失割合が生じるため、第三者が負担すべきは事故の過失割合に
    応じた金額に限られます。

  3. (3)共同不法行為責任と保険給付の関係

    交通事故における共同不法行為については、両当事者の自賠責保険・任意保険から保険給付を受けることが可能です。

    この事例でいえば、被害者は、タクシー会社が加入している保険の保険会社と、第三者の自動車の運転手が加入している保険の保険会社の両方に対して保険給付を請求できます。

    自賠責保険における傷害への賠償限度額は120万円ですが、加害者が2名の場合はそれぞれの自賠責保険会社への請求が可能なので、賠償限度額は120万円×2=240万円です。

    賠償限度額が増額されるため、被害者は十分な補償を得られやすくなります。

4、共同不法行為責任についての問題は弁護士へ

共同不法行為責任が問題となるケースの被害者は、共同不法行為者のうち誰に損害賠償を請求するのかについて検討することになります。

加害者に共同不法行為であるという認識が欠けていれば、示談交渉を進めようとしても拒まれたり、ほかの当事者への請求を促されたりするおそれもあるでしょう。
このような状況に陥ってしまうと、被害者は必要な賠償をスムーズに得ることができないため、日常生活に大きな支障をきたす事態になりかねません。

共同不法行為責任が問題となるケースを解決するには弁護士のサポートが不可欠です

誰に損害賠償を請求するのか、どのように交渉を進めるべきなのかを判断するには、民法の知識に加えて、同様のケースで裁判所がどのような判断を下しているのかを理解しておく必要があります。

さまざまなトラブルに対応し、解決してきた弁護士に相談してサポートを求めれば、損害賠償請求の対象の選別や示談交渉に向けた具体的なアドバイスをえられるでしょう。

また、共同不法行為者には「自分だけが責任を負うことに納得ができない」という意識をもつ者も多いため、交渉が難航しがちです。

頑なに交渉や賠償を拒む相手に対抗するには訴訟等の法的措置を選択することになりますが、裁判所に提出する書類の作成や証拠の収集など、実際の裁判への対応には多大な手間がかかります。
弁護士を代理人とすることで裁判に向けた準備や出廷対応のすべてを一任できるので、被害者の負担は大幅に軽減されるはずです。

5、まとめ

複数の加害者による不法行為には「共同不法行為責任」が発生し、加害者はそれぞれ共同不法行為者として各自が全額の賠償責任を負います。被害者としては共同不法行為者の誰ひとりに対して全額の損害賠償請求を起こすことで対応が可能です。

全額を賠償した共同不法行為者のひとりは責任割合に従ってほかの共同不法行為者に求償できるので、共同不法行為者の全員が脇人割合に応じて公平に賠償責任を果たすことになります。

とはいえ、誰に全額の損害賠償を請求するのかの判断は難しく、共同不法行為者の間の認識や責任割合の程度によって交渉の難易度も高まるため、被害者個人での対応は困難です。

共同不法行為責任が問題となるケースで被害に巻き込まれてお困りなら、ベリーベスト法律事務所 岡山オフィスにご相談ください。

  • この記事は公開日時点の法律をもとに執筆しています

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